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呼吸器感染症症候群(牛)
飼育環境や気候の変化、ストレスなどによって、免疫力の低下した肉用牛、乳用牛などの気道に起こる病原性微生物の混合感染です。特に冬場に多く見られる傾向があり、治療の遅れによっては死亡するケースもあるほか、回復しても予後がよくなかったり、病原体を牛群に拡散させてしまうこともあります。そのため、畜産農家においては大きな経済的損失を引き起こす疾患として知られています。
■詳細
牛の呼吸器感染症症候群(BRDC)は、離乳や輸送、群編成、過密、気候、飼料、ストレスといったさまざまな要因によって免疫力の低下した牛の気道に対して、ウイルスによる感染症が常在菌のマンヘミア・ヘモリティカやパスツレラ・マルトシダ、マイコプラズマなどの繁殖を招き、これらの病原性微生物の相加・相乗作用により呼吸器症状や肺組織の障害を引き起こした状態です。
通常、牛の気道には異物や病原体を排除する能力が備わっています。しかしウイルスの気道への感染はこの異物除去作用を低下させ、結果としてほかの病原性微生物による感染症を引き起こしやすくさせます。
また牛の免疫力の低下は、常在菌のひとつであるマンヘミア・ヘモリティカの異常繁殖と毒素の産生を招き白血球を障害することで、抵抗力の減弱や炎症症状の促進を引き起こす結果として、ほかの病原性細菌類の増殖による症状の悪化が生じるようになります。
その症状には発咳、開口呼吸といったような呼吸器症状をはじめ、活動力、食欲の減退、鼻汁、発熱などが主なものとなりますが、中には死に至るような重篤な肺炎につながる場合もあります。しかし例え回復したとしても発育不良や投薬による出荷制限などが生じることから、畜産農家にとって最も大きな経済的損失を被る疾患のひとつでもあります。
●主な症状
・発咳、呼吸速拍、開口呼吸
・活動力の低下、食欲減退、発熱、流涎、鼻汁
・体重減少、削毛、発育不良
・肺炎
■対処法
牛の呼吸器感染症症候群(BRDC)の治療は、抗生物質の投与により細菌やマイコプラズマといった病原性微生物の繁殖を抑制することに重点が置かれます。
しかし発症による死亡率が高い上、回復後の発育不良や予後の悪さによって大きな経済的損失を引き起こすことから、飼育環境の改善、保温、良質な飼料や、ワクチンの接種などの適切な予防対策を取ることが非常に重要であるとされています。
またその発症にはストレスが大きく関与しているとも言われ、常にストレスのかからない環境を提供するようの心がけることも大切です。
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