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乳房炎(牛)
黄色ブドウ球菌や大腸菌などの病原性微生物が牛の乳房内に侵入し、炎症を引き起こした状態です。その症状は、原因菌の種類や感染の程度によって自然治癒軽度のものから罹患した牛を死に至らしめるものまで実にさまざまですが、いずれにしても乳腺機能の低下による乳量の減少や乳質の悪化などにつながるため、酪農家にとって大きな経済的損害を与える疾患のひとつとして恐れられています。
■詳細
牛の乳房炎は、牛の生活環境に生息している病原性微生物が牛の乳房へと侵入することによって発症します。この乳房炎には、黄色ブドウ球菌、無乳性レンサ球菌などといった原因菌が搾乳器具や搾乳者を介して分房から分房、牛から牛へと感染が広がる伝染性乳房炎と、土壌や敷料、牛体、糞尿などに生息している大腸菌、乳房レンサ球菌、そして緑濃菌などが牛に感染することで引き起こされる環境性乳房炎とがあり、さらに症状の経過によって亜急性、急性、甚急性乳房炎とに分けられています。
またその症状は、侵入した病原菌の増殖に伴う乳房の浮腫、発赤、膨張や乳汁中の水様異常分泌液やブツといった症状が代表的ですが、これらの症状や症状の経過は原因菌や感染方法によって異なる上、中にはこのような臨床的症状がはっきりと発現しない潜在性乳房炎もあります。
いずれも乳量の減少や乳質の低下、そして治療に使用した抗生物質の残留による出荷制限などによって酪農家に大きな経済的被害を与えことになりかねないため、感染原因を見極め、迅速な対処を取ることが重要であるとされています。
●主な症状
発赤、膨張、疼痛、硬結、泌乳量の減少、停止
乳汁内のブツ、水様乳、腐敗臭乳
発熱、食欲不振、下痢、脱水、心拍数増加、低体温、起立不能
■対処法
症状が軽度である場合には頻繁搾乳を行ない、乳腺組織などに蓄積している細菌類の死骸や毒素を排出することによって症状を改善し、自然治癒を促す方法もありますが、一般的には抗生物質軟膏の注入による療法が取られることが多いようです。
しかしいったん乳房炎の発症が認められた場合、これらの療法による治療は一時的に感染牛の数を減らしただけにすぎないため、実際には感染牛の隔離や、農場の入り口での車やシューズの消毒、牛舎内立ち入り時の手指の消毒などによる伝染性乳房炎の予防、パドックのぬかるみをなくす、こまめな換気や清潔な敷料の仕様などによる環境性乳房炎の予防といった対処が非常に大切であるとされています。
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