皮膚糸状菌症の詳細


皮膚糸状菌症とは、人間を含めた多くの哺乳類にみられる真菌(カビ)による皮膚感染症で、特にネコの皮膚病としては最も発症頻度の高いものとなっています。
感染している動物との接触やカビの胞子で汚染されているブラシや寝床を介して感染し、脱毛、赤斑、ウロコ屑といった病変を生じます。
大抵の場合これらの病変部は小さな円形状をしていることが多く、頭部から発症し全身に広がっていきます。
 
【主な症状】
小さな円形状の脱毛、赤斑、ウロコ屑


●さらに詳しく

一般的に皮膚糸状菌症は抵抗力の弱い幼齢の子イヌや子ネコに感染しやすい傾向があります。また、皮膚状態の悪化やほかの疾患などによって抵抗力が衰えることによって感染、発症することがあります。
また、ネコは感染しても無症状であることが多いことから、知らず知らずのうちに感染症を広げてしまうことがあるため注意が必要です。


●病気の対処法

患部の毛を刈りとり、角質溶解作用を有するシャンプー、ポビドンヨード消毒薬、石灰硫黄浸液や外用の抗真菌薬などを用いて治療します。
毛を刈り取る際に用いられたはさみ、クリッパー、ブラシなど感染動物と接触したものには胞子が付着しているため、すべて消毒しなくてはなりません。
また、外用薬による治療で効果がない場合には内服抗真菌薬のグリセオフルビンを用いる場合もあります。ただしグリセオフルビンは妊娠している動物や授乳中の動物へは使用できません。

皮膚糸状菌症は健康なイヌやネコであれば自然治癒する場合もあります。このような場合は皮膚糸状菌症の再発予防や人間またはほかの動物に感染を広げないための処置として栄養のバランスのとれた食事や清潔な生活環境を保つことが大切です。

皮膚糸状菌症の原因となる真菌(カビ)は感染した動物およびその周辺に多く存在し、その胞子は感染している動物から周囲にばらまかれ、18ヵ月以上も生存することが知られています。胞子は多くの洗剤に対して耐性を持っていますが、水で10倍に薄められた漂白剤やクロルヘキサジン溶液によって殺菌することができます。

さらにグルーミングに使う道具、檻、寝具などの消毒殺菌、カーペットのスチームクリー二ング、冷暖房器具の専門家によるクリーニングやフィルター交換、家具やカーテンには掃除機をかけて集塵袋を速やかに廃棄するといったクリーニングを治療中および治療後の数週間、継続して行なう必要があります。

●その他

皮膚糸状菌症は動物からヒトへ感染することもあります。特にHIVやエイズ、化学療法などで抵抗力が衰えている人は特に感染しやすい傾向があるので注意が必要です。
また、感染した動物に接触する際には手袋をし、接触後は手をよく洗うことも大切です。

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