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  • 2011年09月05日

  • フィプロニルによる、犬のダニ駆除


  • コラム出典: Dog tick control with Fipronil
    http://www.vetinfo.com/dog-tick-control-fipronil.html


    ノミ・ダニ駆除製品や殺虫剤などに使われる成分であるフィプロニルは、虫の中枢神経系を破壊する作用を持つ抗寄生虫薬で、虫の脳や脊髄を攻撃することにより最終的に素早く死にいたらしめます。フロントライン製品などのフィプロニルを用いれば、推奨投与量でイヌのダニを駆除することができます。

    フロントラインのノミ・ダニ駆除

    フィプロニルはノミ・ダニ駆除薬であるフロントラインの主成分で、局所用の液剤として、被毛を通してイヌの皮膚に塗布されます。通常、肩甲骨の間にあるクビの付け根付近や、大型犬の場合は背骨に沿った数ヵ所に塗布された後、皮膚と毛嚢(毛包)の中に吸収されますが、イヌの血流に入ることはなく、約24時間かけて皮膚全体に広がります。

    フィプロニルは、クリイロコイタマダニ(brown dog tick)、アメリカイヌカクマダニ(American dog tick)、ローンスターチック(lone star tick)、シカダニ(deer tick)に対して効果的を発揮します。シカダニはライム病の主な媒介であり、また多くの種類のダニがロッキー山紅斑熱(Rocky Mountain Spotted Fever)を感染させることが報告されています。フィプロニルは塗布後約48時間以内にダニを駆除し、その後約30日間効果が持続します。防水性であり、イヌが泳いだり水浴びした後でも効果は持続しますが、塗布後少なくとも48時間はシャンプーを避けた方がいいでしょう。

    フィプロニル製品は、8週齢以降のイヌに使用することができます。また妊娠中、授乳中、繁殖中のイヌにも使用が認められていますが、商品によってはこれらイヌに対する使用を推奨していません。イヌのダニ駆除用のフィプロニルは処方によってのみ入手可能で、通常は薬瓶詰めになっており、イヌの体重を基にして販売されています。

    フィプロニルの副作用

    フィプロニルの使用後すぐに副作用が発現することはまれです。フィプロニルは、獣医の処方せんどおりに使用すれば、安全かつ効果的であると考えられていますが、もしフィプロニルや類似医薬品に対してアレルギーや過敏反応を示す場合、また老いたイヌや妊娠中のイヌに対しては代わりの治療法という選択肢もあります。フィプロニルにアレルギー反応を示すイヌは、発作や死のような激しい反応を示すおそれがあります。フィプロニルは、ほかの治療や医薬品と併用すると、いくつかの反応を引き起こしますが、過量摂取による副作用はほとんどなく、万一過量摂取した場合の副作用も特に報告されていません。塗布した部位は最大24時間まで濡れているか油っぽいままで、また塗布した部位周辺に一時的な皮膚アレルギーや炎症が生じることもあります。

    長期間フィプロニルにさらされることの危険

    フィプロニルを多量摂取したラットで実施された研究に基づき、フィプロニルは、潜在的ヒト発ガン性物質かつガン誘発薬品に分類されています。そのため、獣医やトリマーなどがフィプロニルをスプレーで使用することは、一般人よりもフィプロニルにさらされる度合いが高くなるため、より危険なことだと考えられています。フィプロニルを吸い込んだり、皮膚から吸収したりして、長期間これにさらされることは、健康上のリスクのひとつと考えるべきです。