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オクラシチニブ oclacitinib

成分説明
オクラシチニブは、細胞内で炎症性サイトカインの産生に関与しているヤヌスキナーゼ(JAK)という酵素の働きを阻害するヤヌスキナーゼ阻害薬です。
ヤヌスキナーゼ(JAK)はたんぱく質の一種であるサイトカインが発するシグナルの伝達に関与し、炎症症状の増悪をはじめ、インターロイキンやインターフェロンの産生を誘発するチロシンキナーゼと呼ばれる酵素の一種です。

ヤヌスキナーゼによるシグナル伝達は、細胞膜上の受容体にサイトカインが結合して形成された複合体にアデノシン三リン酸(ATP)という物質が結びつき、細胞核内における遺伝子の転写を誘導、活性化することにより起こります。オクラシチニブはこのATPがヤヌスキナーゼ複合体に結合するのを阻害し、ヤヌスキナーゼのシグナル伝達機能を不活性化させます。
この作用により炎症性サイトカインの産生が抑制され、炎症増悪のサイクルが断ち切られることから、皮膚の痒みや赤み、発疹などの症状を緩和する効果を発揮します。

ヤヌスキナーゼは、機能や遺伝子の位置の違いからJAK1~3、Tyk2に分けられますが、造血や先天免疫に関与しているJAK2に対してオクラシチニブが及ぼす影響は微小であることから、副作用がほとんど起こらないという特長があります。


成分分類
免疫抑制薬

適応
アレルギー性皮膚炎 アトピー性皮膚炎


副作用
ヘモグロビン、ヘマクリット値の減少、網状赤血球の減少