チオストレプトン Thiostrepton
成分説明
チオストレプトンは、放線菌の一種であるストレプトマイシン・アズレウスの二次代謝物として産生されるポリペプチド系抗生物質です。細菌タンパク質の合成を阻害することによる抗菌作用があり、動物の乳腺炎や皮膚炎の治療薬として使用されています。
チオストレプトンの細菌タンパク質合成阻害作用は、マクロライド系抗生物質、テトラサイクリン抗生物質、アミノグリコシド抗生物質といったほかのタンパク質合成阻害薬とはまったく異なり、タンパク質合成過程におけるペプチド鎖の伸長の阻害によるものとされています。
タンパク質はアミノ酸とアミノ酸がペプチド結合で繋がってペプチド鎖を形成し、そのペプチド鎖が立体的構造へと折りたたまれることによって合成されるため、このペプチド鎖の伸長の阻害はタンパク質合成の阻害につながります。
チオストレプトンのこのタンパク質阻害作用は、特にグラム陽性菌において有効性が認められています。また、その特異性からほかの抗生物質との交差耐性が生じることがなく、ほかのタンパク質合成阻害作用に耐性を獲得した菌に対しても優れた抗菌作用を発揮するという特徴があります。
成分分類
抗菌薬
適応
感染症
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