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トリロスタン Trilostane

成分説明
トリロスタンは、副腎皮質におけるステロイドホルモン生合成に必要不可欠な役割を果たしている成分で、3β水酸化ステロイド脱水素酵素の触媒作用を阻害する性質を持っています。イヌの副腎皮質機能亢進症(クッシング症候群)による症状の改善に対し、優れた効果が認められています。

トリロスタンの作用する3β水酸化ステロイド脱水素酵素とは、コレステロールから変換され、ステロイドホルモンの前駆体となるプレグネノロンや、17-ヒドロキシプレグネノロン、そしてデヒドロエピアンドロステロン(DHEA)といったような各ホルモンの前駆体をそれぞれプロゲステロン、17-α(アルファ)-プロゲステロン、そしてアンドロステンジオンへと変換する酵素です。
鉱質コルチコイドや糖質コルチコイドなどのステロイドホルモンは、これらの中間生成物がさらに変換されて生合成されます。そのため、この3β水素化ステロイド脱水素酵素の作用の阻害はステロイドホルモンの生成過程を遮断し、結果として副腎皮質における鉱質コルチコイド、糖質コルチコイド、そして性ホルモンといったステロイドホルモンの過剰な生合成を抑制します。

成分分類
内分泌疾患治療薬

適応
下垂体依存性・副腎皮質依存性副腎皮質機能亢進症(クッシング症候群)


副作用
嘔吐、元気消失、下痢、体重減少

注意事項
それぞれのイヌに応じた使用量を設定し、使用中には容態の注意深い観察が必要です。
また成分は経皮吸収されるため、飼い主が投与する際の取り扱いにも注意が必要です。