塩化アンモニウム Ammonium Chloride
成分説明
尿を酸化に傾ける作用を持つ尿酸化剤です。尿がアルカリ性に傾くことによって生成されるストラバイト/ストルバイト結石の溶解や形成を予防する効果があることから、尿路結石症の治療、予防薬として用いられています。
塩化アンモニウムの体液や尿を酸化に傾ける効果は、塩化アンモニウムが体液のpH値を調整している重炭酸塩(重炭酸ナトリウム)の機能を不能にすることによってもたらされます。
体内に存在している酸性の水素イオンは、体液中に存在しているアルカリ性の重炭酸塩と結合し中和させることによって体液のpH値を調整し、体液が酸性に傾くことを妨げています。
塩化アンモニウムは体内で塩素とアンモニウム分解された後、肝臓での代謝によって有害なアンモニウムから無害な尿素へと変換しますが、この変換はアンモニウムがその構造から水素イオンを放出することによって成立します。つまりこの水素イオン放出作用により、重炭酸塩(重炭酸ナトリウム)による水素イオンの中和作用が追いつかなくなることから、結果として体液、そして尿が酸性に傾くことになると考えられています。
成分分類
泌尿器系
適応
尿路結石
副作用
食欲減退、吐き気、嘔吐、下痢
注意事項
塩化アンモニウムの効果は、尿がアルカリ性に傾いた時に形成されるストラバイト/ストルバイト結石(リン酸マグネシウムアンモニウム結石)においてのみ発揮されます。ほかの種類の結石に対する効果はありません。
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