エス-アデノシルメチオニン S-Adenosylmethionine
成分説明
たんぱく質を合成するアミノ酸の一種であるメチオニンという物質と、生体のエネルギー源となるATPと呼ばれる物質が体内でメチオニン活性化酵素の働きを受けて生成される物質です。細胞の成長や再生の過程において必要不可欠な核酸やタンパク質、そして脂質のメチル化に関与しているほか、細胞を損傷する活性酸素の働きを抑える抗酸化物質、グルタチオンの産生を促進することによる抗酸化作用などが認められています。
エス-アデノシルメチオニンは生体内に広く分布していますが、中でも肝臓や脳に高濃度で存在していることが知られています。特に肝臓においては老廃物や毒素を体外へ排出することによる解毒作用や、胆汁の生成と分泌の促進、そして抗酸化物質であるグルタチオン濃度の向上による抗酸化作用の増強といったさまざまな働きによって、その機能を維持する効果があるとされています。
また、脳内で精神活動を調整する役割を持つノルアドレナリンやセロトニン、そしてドーパミン(ドパミン)などの神経伝達物質の合成を促進することによる抑うつ効果や、脳脊髄液内に含まれるエス-アデノシンメチオニンの量を増加させることによる脳機能維持作用のほか、関節における抗炎症作用や軟骨修復作用などもあるとされていることから、肝機能の維持のみでなく、うつや関節炎、関節リウマチの症状緩和、そして認知症の予防などにもその効果が期待されています。
成分分類
内分泌疾患治療薬
適応
肝機能の維持 抑うつ 認知症 関節リウマチ
注意事項
エス-アデノシルメチオニンは水分に対して非常に不安定な成分です。保管は湿度の低い乾燥した場所で元のシートに入ったままの状態で保管し、使用する直前に取り出すようにしてください。
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