クロミプラミン Clomipramine
成分説明
クロミプラミンは、人間や動物の脳内で精神活動に関与している神経伝達物質(モノアミン類)の働きを調整する作用を持つ、三環系抗うつ剤に属する成分です。意欲を司るノルアドレナリンや、落ち着きをもたらすとされているセロトニンといった神経伝達物質の働きを増強し、人間においてはうつ病や強迫性障害などの治療に、動物においては特にイヌによくみられる分離不安症の治療に効果が認められています。
人間や動物の精神活動は、脳内でのさまざまな情報の伝達に携わっているノルアドレナリン、ドパミン(ドーパミン)、そしてセロトニンなどの神経伝達物質が、バランスを保ちながらその伝達機能を果たすことによって安定が保たれています。そのため、不安やストレスなどによる神経伝達物質のバランスの崩れは正常な精神活動に影響を与えることとなり、人間においてはうつ病や強迫性障害、イヌをはじめとした動物においては分離不安症などの症状を引き起こすとされています。
この神経伝達物質による情報伝達機能を調整する作用を持つのがクロミプラミンです。脳内で情報伝達のために放出された神経伝達物質が、神経細胞の前シナプスという部位において再吸収され、その情報伝達能力を終結させられることを妨げ、脳内の神経伝達物質の濃度を高めることによってその伝達能力を増強する作用があります。この作用が、特に精神活動の低下を引き起こすとされているノルアドレナリンやセロトニンに対して働くことから、結果として優れた精神安定作用がもたらし、人間においてはうつ病や強迫性障害の改善に、動物においては分離不安症を引き起こす要因である不安を軽減する効果を発揮するとされています。
成分分類
精神安定薬
適応
分離不安症
副作用
不活発/抑うつ、嘔吐、下痢、肝酵素値の上昇、けいれん、動悸、心拍数低下、のどの渇き、混乱
注意事項
精巣発育不全を引き起こす可能性があるため、繁殖用の雄には使用しないでください。
また、クロミプラミンやほかの三環系抗うつ剤に過敏症反応のあるイヌ、緑内障の認められるイヌ、6ヵ月未満の子イヌや妊娠、授乳中の雌には使用しないでください。
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