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マロピタント Maropitant

成分説明
マロピタントは、嘔吐刺激を伝達するニューロキノン受容体(NK1)に結びつき、受容体とその活性化物質との結合を阻害するニューロキノン受容体拮抗薬です。特に嘔吐中枢や化学受容器引金帯(CTZ)と呼ばれる部位に分布しているニューロキノン受容体への親和性が高く、これらの部位におけるさまざまな催吐性刺激の伝達を遮断するため、優れた制吐作用を発揮するのが特長です。

嘔吐とは、中枢、末梢で受け取られたさまざまな催吐性の刺激が複雑な過程を経て、延髄に存在する嘔吐中枢に伝達されることで発現します。この催吐性の刺激の伝達に関与しているのが中枢、末梢神経に広く分布しているニューロキノン受容体です。
ニューロキノン受容体は、知覚神経から遊離される神経伝達物質であるサブスタンスPとの結合によって活性化させられ、痛み、炎症、平滑筋の収縮といった数多くの病態の発現に関与しています。嘔吐においては催吐性の刺激を嘔吐中枢や、嘔吐中枢へ刺激を伝達する化学受容器引金帯に伝達する役割があり、この働きによって嘔吐が発現するとされています。

成分分類
制吐薬

適応
嘔吐 乗り物酔い

副作用
投与時の嘔吐、流涎、水様の糞便

注意事項
優れた効果による症状の改善は、時に原因となっている消化管などの病気の診断を遅らせてしまうことがあります。制吐薬の使用は獣医師によって使用が適切であるとされた場合のみに使用するようにしてください。

また、使用中に何らかの原因によって目に入った場合には、流水で15分間目を洗い、その後眼科医の診察を受けてください。